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【歴史】『逆説の日本史4 中世鳴動編』—日本人に根付くケガレ信仰

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『逆説の日本史 4』井沢元彦 / 小学館

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口頭で話を聞いているかのような語り口なので、僕のように日本史の知識がほぼ無いシロウトには分かりやすくて読みやすい文章でした。

著者の代表作であり、現在23巻まで発売されています。

 

いきなり4巻を読んでみたのは、ケガレ(穢れ)思想について知りたかったからです。

江戸時代には士農工商という身分制度がありました。

さらにその下位の身分としてエタ(穢多)・非人というカテゴリーがあります。

彼らは牛や馬の死体処理や罪人の処刑時に使役されていました。

主に皮革業(動物の皮を使った製品を作る)に従事していたそうです。

(その辺は、マンガ『カムイ伝』を読めば分かります。)

 

ケガレ(穢れ)とは不浄のもの。キタナイと感じるもののことです。

この本で例を挙げて説明されていたので以下に抜粋します。

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ある親孝行な娘と父親がいたとする。

父が娘に「これは私が20年使った箸だが、お前にやろう。明日から使いなさい」

と言ったとする。娘はどういう反応を示すだろうか。

「ありがとう、使わせていただきます」と答える娘はまずいないだろう。むしろ断固拒否するに違いない。 それでも父が強要したら娘は何と言って拒否するか。

「キタナイ」という言葉だ。「キタナイ」から嫌だ言うはずである。

そこで父が「これは熱湯消毒したし、汚れは一切付着していない」と反論しても、娘はやはり「イヤ」だと言うだろう。仮に、現代科学で開発された最高水準の消毒方法を使い、顕微鏡で雑菌などをチェックして汚れは一切ない、と言っても答えは同じだろう。

(中略)

われわれは、他人が長い間使った箸や茶わんに、その人独特の「垢(あか)」のようなものを感じている。

これがケガレなのである。

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僕はこれを読んで目からウロコが落ちました。

自分はそこまで深い信仰心など持ち合わせていないと今まで思っていましたが、日本人ほぼ全員がこの「ケガレ」思想に強く侵されていることに震撼しました。

おそらくすべての日本人がこのエピソードを理解し、納得し、共感するはずです。

しかし、この感覚が外国人には理解できないそうです。

当たり前といえば当たり前ですが、そんなことを考えもしなかったことに気付かされました。

現代人は昔よりも若干潔癖になってきている傾向を感じてはいましたが、問題はそういうレベルではなかったということです。

 

結局、幻想というか迷信というか、感覚の問題であって科学的ではない。

この感覚が長年、日本人の中で差別を生んできた原因の一つ。

この感覚から脱却するのは相当難しいと思います。

どうしたらいいのでしょうか。

「今の感覚に科学的根拠は何もない」と自分にツッコむ癖を習慣化するしかないか。

 

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