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【小説・SF】『マルドゥック・スクランブル』―これを超えるブラックジャック(カジノ)小説は絶対にない!

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『マルドゥック・スクランブル』冲方丁 / 早川書房

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カジノでのブラックジャックにおいて、一発退場モノの反則は「カウンティング」と呼ばれる熟練技です。

カウンティングとは

これまでに使用されたカードを記憶して、未使用カードの中(山)にどんなカードがどれくらい残っているかを読む(知ろうとする)ことです。

素人には難しそうに思えますが、プロのプレイヤーならやろうと思えば出来る技術だからこそ禁止になっているわけですよね。

(1デック(組)の中にはAが4枚、絵札が12枚あります。実際のゲームでは1デックでは行われず、6デックを一山としたり様々です。当然のことながら、1デックでやるよりもはるかにカウンティングが難しくなります。)

大金のかかった真剣勝負をするわけなので、緊張感もハンパではありません。

そんな中で冷静にカウンティングするのは、プロでも難しそうです。 

 

この小説ではバリバリにカウンティングします。

カジノ側もイカサマをしてくるので、対抗戦術です。

 

ポーカーやルーレットという前哨戦はありますが、それはカジノでチップを稼ぐための小手調べ的な要素に過ぎません。ブラックジャックにしろ何にせよ、チップが多くあった方が有利なのは間違いありませんから。本番に向けて資金を増やすのは当然です。

 

著者が自らの意志でカンヅメになり、命を賭けて書き切ったと自負するのに十分な内容です。この小説を読んだ後は、ブラックジャックを扱った他の小説は確実にショボく見えます。

確実!そう、コーラを飲んだらゲップが出るくらい確実ですッ!

 

少女娼婦バロットと万能兵器に変身できるネズミのウフコック。

このコンビが自身の存在価値と生命を賭けて敵と戦います。

前半は最強の敵・ボイルドとその刺客たちとのバトルアクション。

後半はカジノでの心理戦。

どちらも非常に質が高く上手い。前半が見事に後半の伏線になっています。

 

ウフコックとのコンビ技でカウンティングを実行するわけです。

(ウフコックは手袋などに変身して、バロットが一人で戦っているかのように、他のプレイヤーやディーラーからは見えます。ズルく思えるかもしれませんが、カジノ側もド汚いイカサマを繰り出してきますので、お互い様です。)

全3巻で、2巻の後半からずっとカジノで対決しています。

こんなに長いことトランプゲームをやっているだけなのに、全然ダレた展開になりません。

恐ろしいほどの熱量が伝わってきます。

 

『マルドゥック・ヴェロシティ』『マルドゥック・アノニマス』とシリーズ化してますが、この第1作目が最強に面白いです。

 

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