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【新書】『武器輸出と日本企業』―日本の企業は武器も作っている

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『武器輸出と日本企業』望月衣塑子 / 角川書店

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<改定された武器輸出規則>

 「武器輸出三原則」というものをご存知でしょうか?

僕はこの本を読むまで、名前すら知りませんでした。

ニュースを見ないので知らなかったのですが、この「武器輸出三原則」が2014年47年ぶりに大幅に変更されたそうです。

 

1967年、佐藤栄作首相が表明したのは以下の3項です。

①、共産圏諸国への武器輸出は認められない。

②、国連決議により武器等の輸出が禁止されている国への武器輸出は認められない。

③、国際紛争の当事国または、その恐れのあるへの武器輸出は認められない。

 

①は冷戦中だったから、アメリカに言われたのでしょうか。

素人考えですが、2019年の今でも、この原則のままでいい気がします。

 

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しかし、2014年に変更されます。

「防衛装備移転三原則」と名称変更して閣議決定されたのは以下の3項です。

①、国連安全保障理事会の決議などに違反する国や紛争当事国には輸出しない。

②、輸出を認める場合を限定し、厳格審査する。

③、輸出は目的外使用や第三国移転について適正管理が確保される場合に限る。

 

この新三原則では、一定の審査を通過すれば、武器の輸出はOKということです。

以前の②と③を足したものが、新原則①になったように見えますが、

実は「紛争当事国になる恐れのある国」は輸出禁止対象から外されています

 

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紛争に加担する可能性が高まったということです。

以前の三原則にあった「国際紛争の助長回避」という基本理念も、新原則では明記されなかったそうです。

 

オイオイ!

急展開すぎて頭が追いつかないぞ!

他国がどうなろうと武器輸出で儲けられればそれでいいという、非情な資本主義に日本がいつの間にかシフトしていたということでしょうか。

 

 <日本で武器展示会が開催>

 武器輸出が事実上解禁になった翌年、つまり2015年5月。

横浜で日本で初めての大型の武器展示会「MAST Asia 2015」が開催されました。

後援は防衛省、外務省、経済産業省です。

各国から防衛企業が125社も参加しています。

日本からも誰もが聞いたことのある社名の企業が参加しています。

三菱重工、川崎重工、NEC、IHI、富士通などです。

 

軍事的知識が皆無の僕は驚きました。

日本の企業も普通に武器を作っていたんですね。

まったく知りませんでした。

 2015年の展示会には参加していない企業は他に、ANA、三菱電機、東芝などがあります。

日本の大手防衛企業として、いずれも売上げ上位の業績を出しています。

 

しかしどちらかといえば、企業はビジネスチャンスと捉えているというより、まだ様子見というところです。急展開に戸惑っている感じです。

むしろ政府の方が乗り気で、各国にアピールしています。

これからは日本からも武器を買ってくれと。

 

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この辺りの武器輸出の現状は、マンガ『プロメテオ』(小野洋一郎 / 講談社)を読むと分かりやすく描かれています。

武器商人の主人公が、紛争地帯で武器ビジネスを展開しつつ、世界における日本の現状も解説されています。

 

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↑2巻で完結です。

 

<武器輸出はビジネスチャンス?>

ビジネスとして不安を抱える企業に対しては、政府は銀行などを使って支援を行うことを検討中だとか。

武器輸出の支払いが滞り、日本企業が赤字になってしまったときなどのために、国が不足分を補填する「貿易保険」を適用することも考えられているそうです。

武器輸出への抵抗感が強い企業に対しては、説明の労を惜しみません。

政府の必死さが窺えます。

アメリカに強く要請されているのでしょうか?

 

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戦争反対と叫んでいるだけで平和が保たれるなら、誰も苦労はしません。

頭が平和ボケした僕でもそれは分かります。

 

日本がずっとアメリカの言いなりになっているのは、アメリカによる安全保障を享受したいと思っているからです。

きちんと自立して、ハッキリ物が言えるようになるには、

日本の安全保障の強化や防衛技術の維持が不可欠だということも分かります。

 

けれど、政府のイケイケ具合が恐ろしいのもまた事実です。

防衛装備庁は、税金を使って、武器開発に特化した軍事専門企業を日本に作りたいのでしょうか。

どうも浅薄な功利的発想だけで動いているような印象で、

どういう国にしていくつもりなのかというビジョンが見えてきません。

実に不安です。

 

これからの日本を考えるための一冊としてどうぞ。

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