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【科学】『死を悼む動物たち』―動物は本当に死を悲しんでいるのか【サイエンス】

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『死を悼む動物たち』バーバラ・J・キング / 訳:秋山勝 / 草思社

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 ⇧文庫版は2018年2月に発売。

 

<草思社文庫は骨太の科学読み物>

この本は草思社文庫です。

草思社は良質で骨太の科学本を多く出しています。

代表的なのがジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』ですね。

この本では人類の文明発達の過程を解説しながら、メソポタミアなどの文明を築いた人々や、いち早く近代化を成し遂げたヨーロッパ人たちが、未開の地で暮らすアフリカ人たちよりも、特別に優れた人種ではないことを証明してみせます。

上下巻に渡りなかなかの分量がありますが、全世界の人々が読むべき本です。

この本で差別や優生思想を駆逐できるんじゃないかとさえ思います。 

 

そしてこの『死を悼(いた)む動物たち』では、動物たちは家族や仲間の死を本当に悲しんでいるのかを考察・解説しています。

 これもまた面白いテーマです。

 

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<動物の感情の研究>

 人間の感情を動物に投影するのは科学的ではないということで、これまでは動物の感情についてはあまり研究されてきませんでした。

科学的であるためには、「法則性を証明するための客観的なデータ」を示さねばなりません。感情に関する客観的なデータを取るのが非常に難しいのは素人でも分かります。

 

多くの映画やアニメなどでは、動物が喜んだり悲しんだりしている様を描いています。

しかし彼らが本当にその感情をもって、それに付随する行動をとっているのかは実際のところ分かりません。

動物は言葉を話せませんので、その時の感情を質問することが出来ませんし、

外から見えている様子が、その感情を表現している結果だとは限りません。

人間にも、笑顔だけど心では泣いていることはよくあります。

それと同じです。

外見からの反応だけでは推測するしか方法がありません。

 

しかし近年、多くの動物種の「悲しみの行動」報告が上がってきているようです。

 

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<死を悼む動物たち>

すでに死んでから何日も経つのに、我が子の死体を手放さないサルやイルカ。

親が死んだことでうつになり、衰弱死したチンパンジー。

仲間の遺骸に円陣を作って外敵から守ろうとするウマたち。

仲間の遺骸に木の枝や葉っぱをかけて「埋葬」するゾウ。

一緒に暮らしていた仲間が死んで、目に見えて元気がなくなるイヌやウサギ。

 

他にも色んな動物たちの個々の悲しみ方、仲間の死の悼み方が記載されています。

科学的かどうか考えずとも、「悲しむ」という行為に該当するように思われます。

 

残酷なことを言うようですが、

弱肉強食の野生の世界において、すでに死んでしまった子どもや仲間を悲しむという行為は、自分の体力や気力を大幅に減衰させてしまうことでもあり、敵にスキを与えることにもなって、リスクでしかありません。

生存競争においては、悲しむメリットがないのです。

それでもなお悲しむというのは、愛情の裏返しでしょうか。

喪失の悲しみは、愛情があったが故のことでしょうか。

 

こういった悲しみの表現を示す動物がいる一方で、

同じ動物種でも仲間の死体に興味を示さない者もいます。

我が子の死体をすぐに放り出すサルもいるのです。

これはどういうことなのでしょうか。

 

ここで僕は、大事なことを見落としていたことに気付きます。

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<まとめ>

人間の中にも、感受性が強くてすぐに共感してもらい泣きしてしまう人もいる一方で、

家族や友人の死にさえ何も感じない冷たい人もいます。

動物も同じなんだということに気付きました。

 

同じ犬でも、喜びや悲しみを全力で表現する者もいれば、いつも冷静な者もいます。

個体差があって当然なのです。

それなのに、

「長年の研究により、サルには我が子の死を何週間も悲しむ習性があることが分かりました」と言われると、すべてのサルが悲しんでいるのだと思い込んでしまいます。

 

これを「権威主義バイアス」と呼べばいいのか、「一般化バイアス」と呼べばいいのかは分かりませんが、物事をすぐに単純化させてしまいたくなる、人間の悪い癖です。

 

人間の感情表現と同じように、

その動物種全体を一般化(法則化)できるような感情表現などないのだということです。

仲間の死を悲しむ動物もいれば、悲しみと縁のない動物もいます。

それらは彼らの個性なのです。

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