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【マンガ】『ひゃくえむ。』2巻―孤立しないことより大事なこと

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紙の本も読みなよ / A-key-Hit

『ひゃくえむ。』魚豊 / 講談社

⇧2019年7月9日発売。

5ヶ月連続刊行の第2弾です。 

 

タイトルの「ひゃくえむ」とは「100M」、

つまり「陸上競技の100M走」のことです。

このマンガは「100M走」を題材とした作品です。

 

<あらすじ>

小学六年生・トガシは生まれつき足が速く100M走では負けたことがありません。

学校の体育はもちろん、大会に出ても優勝しかしていません。

「速く走れる」ということが彼の唯一の特技でしたが、それでクラスの皆からは一目置かれる存在となり、まったく問題ない学校生活を送れていました。

 

ある日、小宮という少年がトガシのクラスに転校してきました。 

小宮はオドオドしていたので、初日からイジメのターゲットになってしまいます。

トガシは、「100mだけ誰よりも速ければ、大抵の問題は全部解決する」のだと持論を語り、小宮に走り方を教え続けました。

 

ある日、小宮はトガシに真剣勝負を持ちかけます。

公式戦でもなく、ただの河原での勝負です。

そこでトガシは生まれて初めて全力で走ることになりました。

同時に負けるかもしれない恐怖をリアルに感じました。

そしてもし負けてしまったら、自分の人生が変わってしまうという不安に襲われました。

 

トガシはその日から、アイデンティティを守るため、苦しみながら陸上競技を続けることになりました。

 

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<孤立を恐れるトガシ>

中学に入ってもトガシは3年間全国大会で優勝し続けました。

しかし自分では才能が劣化してきていることを明確に自覚します。

 成長はパタリと止まり、才能の遺産で食いつないでいる状態です。

周りとの差もなくなり、いつか誰かに追い抜かれることに怯えながら毎日練習に励んでいます。

 

 トガシは、学生生活の中で自分が評価されて友達もできたのは、すべて陸上での実績のおかげだと思っています。

陸上で負けることは、友人も評価も失うことだと。

彼は「孤立」を一番恐れていたのです。

 

トガシは陸上で最高の成績を収めたにもかかわらず、強豪校ではなく、地元の公立高校に入学しました。

陸上部に入ることも避けようとします。

陸上関係者に囲まれるとプレッシャーにさらされて、敗北を意識してしまうからです。

敗北を意識すると練習に身が入らなくなるがゆえの選択です。

 

トガシは高校に入学した日に、アメフト部の寺川と出会います。

陸上で負けないために一人で練習しているトガシに向かって、寺川は別に負けたっていいじゃないかと言います。

「負けるのが怖くないのか」と問うトガシに、寺川は「仲間がいるから怖くない」と答えます。

 

トガシはアメフト部に興味を覚え、一瞬だけ試合を体験させてもらいました。

そのとき彼はパスを受けそこねてしまいます。

失敗したにもかかわらず、メンバーからは「ナイスファイト!」「ドンマイ ドンマイ!」という励ましの言葉をかけてもらえました。

 

いつも一つのミスもしないように走っていたトガシにとって、失敗を許してもらえる環境は味わったことのない世界でした。

それゆえ、チームスポーツに興味を持ち始めます。

 

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<個人か、チームか>

「100m走」はシンプルであるがゆえに、いかに失敗しないかを競うスポーツでもあります。

スタートダッシュ、歩幅、リズム、呼吸、上体の起こしていき方など、何か一つでもミスすると良い結果にはつながりません。

個人競技とは大体そういうものでしょう。

並走する競争相手がいるとしても、結局は自分との闘いになります。

 

しかし団体競技、チームスポーツは違います。

メンバー間の連携が大事とはいえ、全くミスをしない選手はいません。

それゆえに失敗を許し合う空気があります。

誰もが多少はミスをするので、逐一それを必要以上に責め立ててもモチベーションが下がるだけなので意味がないからです。

むしろお互いのミス(欠点)をカバーし合えることが、チームプレーの本質ともいえます。

 

もちろん、失敗しても許されるからどんな結果になろうとOKということではなく、

「仲間の失敗を許せる強さ」がチームスポーツにはあるということです。

個人競技には無い安心感です。

トガシはそれにひかれたのです。

 

100m走は勝っても負けても、すべての責任は自分にあります。

結果を100%背負わないといけないので、チームスポーツよりもプレッシャーが大きくなります。

ときにはそれに耐えられない者もいるでしょう。

 

最初はトガシも孤立することを恐れ、プレッシャーから逃げるように生きていましたが、廃部寸前の陸上部の先輩・浅草の孤独に戦っている姿を見て、考えが変わります。

孤立しないことよりも大事なことに気付いたからです。

それは、自分が走って来た歴史を無意味なものにしないことです。

 

ついにトガシは、避けていた陸上部に入部することにしました。

これまでは才能があるだけで嫌々ながら走って来ましたが、

これからは走りたくて走るようになります。

彼の本当の人生は、高校から始まったのです。

 

先が楽しみすぎる漫画です。 

令和元年、絶対に読んでおくべき作品です。

3巻は8月9日発売予定。

 

  

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